コンプライアンスの奴隷

 経営審査評価項目W点の項目、社会保険、雇用保険加入の有無が廃止された。電子申請の際の入力項目が廃止されたのである。社会保険・雇用保険が建設業許可の前提であるので当たり前と言えば当たり前である。

 かつて、「不良不適格業者の排除」を目的とする建設産業政策大綱で、社会保険の建設業者への全適用が主張されたとき、多くの人間は、そんなことできるはずがない、と高を括っていた。しかし、時は流れ、時代は変貌し、建設業許可業者は全部が適用されるようになった。国策というのは、ほぼ、達成されるということだ。

 現在、国土交通省では、建設Gメンを多く繰出し、実地調査に注力している。関東地整の「建設業法遵守推進本部」が纏めた2025年度の建設Gメンによる実地調査は139社。うち、111社に改善課指導が行われた。労務費見積、工期設定、価格転嫁の三点に重きをおいての調査だが、それとは別に建設業許可部局が工事契約の適正化を目的に行っている立ち入り検査もある。知事許可権者との協力のもと、知事許可業者にも入っている。

 これら監督処分の件数は、146件にも上る。うち営業停止は6件。

 おおらかな時代は終わったのである。昭和を懐かしがっている暇はない。不寛容で許容度の低い時代に合わせて経営をしなくてはならない。とにかく、一にも二にもコンプライアンスである。それらは、我々行政書士、そして、全ての産業の経営者にも言えることである。また、議員、行政にも言えることである。全てが法律に従う優等な奴隷になるしかない。

 辛いが、これが現実である。

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