― コンサル料や工事費に含める代行も「法違反」に ―
令和8年1月1日に施行された改正行政書士法。今回の改正で最も注目すべきは、第19条第1項に「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加されたことです。これにより、これまで「当たり前」とされていた無資格者による書類作成・提出代行が、より厳しく処罰の対象となることが明文化されました。
1.「報酬」の考え方が大きく変わりました
これまでは「書類作成の手数料を直接取らなければ良い」と考えられがちでした。しかし、改正後の指針では、以下のようなケースもすべて「報酬を得て」いるとみなされ、法違反(無資格者による業務制限違反)となる可能性が極めて高いとされています。
- 本来業務対価一体型
コンサルタント料、仲介手数料、設置工事費、あるいは「機器の売買代金」の中に、サービスとして書類作成費用が含まれているとみなされる場合。 - 会費・サブスク型
団体等の会費や顧問料を支払っている会員に対し、サービスの一環として書類作成を行う場合。 - 名目不問
現金に限らず、物品や供応、あるいは第三者から利益を得る場合も「報酬」に含まれます。
つまり、「工事受注のサービスだから無料です」という理屈は、法的には「工事代金の一部が書類作成の対価である」と解釈されるため、今後は通用しません。
2.「両罰規定」により、会社も罰せられます
無資格(行政書士ではない者)がこれらの代行を「業として」行った場合、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられます。 さらに恐ろしいのは、「両罰規定」の整備です。実際に作業を行った従業員個人だけでなく、その従業員を雇用している法人(会社)に対しても罰金刑が科されることになりました。 これは、企業の社会的信用を大きく失墜させ、建設業許可の維持にも重大な影響を及ぼしかねないコンプライアンス違反となります。
3.窓口での「排除」が徹底されます
総務省の通知により、官公署の窓口では「無資格者の関与」を防止する取り組みが強化されています。
- 発注者が本来行うべき申請を受注者が代行しようとした際、厳格な本人確認が行われます。
- 行政書士ではない者が作成・提出したとみなされた場合、書類が受理されない、あるいは後から調査が入るなどのリスクがあり、結果として工事全体の遅延を招く恐れがあります。
4. これからのスタンダード:専門家への適正な依頼を
今後は、「発注者が自ら作成・提出する」か、「正当な資格を持つ行政書士に依頼する」かの二択が基本となります。
- お客様(発注者)へのご説明
「サービスでの代行は、お客様にとってもコンプライアンス上のリスク(虚偽申請やトラブル)になる」ことをお伝えし、適正な手続きをご案内することが重要です。 - 行政書士への委託
当法人のような行政書士法人へ依頼する場合、費用を顧客から収受する際は「行政書士への業務委託料」等と明記し、透明性を確保することが望ましいとされています。
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